皆大好き《ザダ》《銀毛》
《面晶体の掘削者、ザダ/Zada, Hedron Grinder(BFZ)》・《銀毛の援護者/Silverfur Partisan(SOI)》のコンボが好きな人達には4種類くらいいる(と思う)。
ひとつはこの組み合わせが明らかに開発者が狙っているものだから組んでやるぞと息巻いている、シナジーそのものの美しさに惚れ込んでいる人。
ひとつは前環境からザダが大好きで仕方なく、今環境の相棒として銀毛を選んだ人。
ひとつは銀毛のトークン生産力に惚れ込み、ザダはおまけのような狼(男)デッキを組む人。
そして、《謎の石の儀式/Cryptolith Rite(SOI)》というカードを見つけてしまいチェインコンボに走る人。

まあ、この中の複数に当てはまるって人もいると思うよ?
何が言いたかったかというと、自分は少なくとも最後の奴だってこと。

【謎の狼の儀式 ~ザダって奴の仕業なんだ】

22 Lands
7 《森/Forest(M14)》
5 《山/Mountain(RTR)》
4 《獲物道/Game Trail(SOI)》
4 《燃えがらの林間地/Cinder Glade(BFZ)》
2 《ウェストヴェイルの修道院/Westvale Abbey(SOI)》

11 Creatures
4 《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》
4 《銀毛の援護者/Silverfur Partisan(SOI)》
3 《面晶体の掘削者、ザダ/Zada, Hedron Grinder(BFZ)》

27 Spells
4 《謎の石の儀式/Cryptolith Rite(SOI)》
4 《促進/Expedite(OGW)》
3 《空間の擦り抜け/Slip Through Space(OGW)》
4 《イトグモの蔦/Vines of the Recluse(OGW)》
1 《反逆の行動/Act of Treason(KTK)》
3 《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(ORI)》
3 《苦しめる声/Tormenting Voice(KTK)》
3 《未知との対決/Confront the Unknown(SOI)》
2 《進化の飛躍/Evolutionary Leap(ORI)》

15 Sideboard cards
2 《炎呼び、チャンドラ/Chandra, Flamecaller(OGW)》
2 《ウルヴェンワルドのハイドラ/Ulvenwald Hydra(SOI)》
1 《苛性イモムシ/Caustic Caterpillar(ORI)》
1 《翼切り/Clip Wings(SOI)》
2 《棲み家の防御者/Den Protector(DTK)》
2 《焙り焼き/Roast(DTK)》
1 《食い荒らす炎/Devour in Flames(OGW)》
1 《焦熱の衝動/Fiery Impulse(ORI)》
1 《双雷弾/Twin Bolt(DTK)》
1 《反逆の行動/Act of Treason(KTK)》
1 《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep(ORI)》

◆目標とするデッキの勝ち筋
①謎の石の儀式、銀毛、ザダが戦場に出る
②スペルをなんかうつとトークンが増える
・イトグモの蔦……マナクリ再使用
・促進……大量ドロー・速攻によるマナクリ化
・反逆の行動……マナクリ化・再使用
・空間の擦り抜け……ゲーム終了用のアンブロッカブル、大量ドロー
・未知との対決……大量パンプ、マナが余るならドロー
③上記のドローとアンタップで回しまくる
④大量のアンブロッカブルで殴って勝ち

◆デッキについて
・チャンプブロックできるトークンはいっぱい用意できるため、ある程度の時間稼ぎが可能。謎の石の儀式があるときは手札のぶん回り可能性と天秤にかけよう。
・常に1マナ以上残してザダ、銀毛を出そう。テンポを犠牲にしても無駄死にをさせると負ける可能性が非常に高くなる。インスタントや飛躍を構えられる2マナ以上あればベストだ。
・銀毛やザダにスペルを唱えたときには既に能力の誘発は止められないので、ソーサリーを撃つなら着地後すぐに唱えよう。
・このデッキの動きを相手が知ってしまうと揃った瞬間投了される可能性が高いので、気持ちよくなりたい気持ちをぐっと抑えて心を強く持つこと。

◆コンボ中の注意点
・相手が動きを理解していないようならしっかりと説明できるようにWikiを見てルーリングを勉強しておこう。ケアレスミスも防げるはず。
・召喚酔いしてるクリーチャー、修正が入っているクリーチャー、アンブロッカブルのクリーチャーが順々に増えていくので、盤面をきちんと整理しないといけない。
・うっかり気持ちよくなりすぎてセルフLOしないようにしよう。
・迅速なプレイングを心がけよう。

◆デッキの弱点
とにかく引きムラがありすぎるのでキャントリップすら使えなくなるような状況を防ぐプレイをしよう。
サイド後は簡単にメタられるので、勝ち筋をずらそう。行けそうなら変えなくてもいいけど。(ぶっちゃけサイド後のプランはまだ決まっていないので、サイドカードは話半分で見ておいて欲しい)

◆銀毛ザダチェインコンボをする上でのカードごとの評価
○採用したカード
・《銀毛の援護者/Silverfur Partisan(SOI)》4枚
デッキの中で一番強いカード。複数引いても嬉しい。相手はさっさと除去ったほうがいいとわかっていても除去を渋る。トランプルを持っていることをきちんと覚えておくこと。
・《面晶体の掘削者、ザダ/Zada, Hedron Grinder(BFZ)》3枚
デッキを一番ややこしくしているカード。複数引いてもあまり嬉しくない。飛躍で持ってこれるので3枚という控えめな数。チェインコンボには必須。
・《搭載歩行機械/Hangarback Walker(ORI)》4枚
儀式でマナ加速するために2マナ枠何か欲しいということでこれ。飛行を持つトークンを出せるのはやはり偉い。《膨れ鞘/Blisterpod(BFZ)》との比較も面白いかもしれない。
・《謎の石の儀式/Cryptolith Rite(SOI)》4枚
絶対1枚は引きたいけど複数引きたくないカード。でも引かないとデッキが回らないので4枚。右手をしっかり光らせておこう。
・《促進/Expedite(OGW)》4枚
デッキに8枚入れたい。最高の潤滑油。時々がら空きのPWを落としている。
・《空間の擦り抜け/Slip Through Space(OGW)》3枚
これ抜いて促進をデッキに8枚入れたい。ソーサリーなので潤滑油力は促進より低いが、アンブロッカブルの絶対性は評価できる。ていうかそもそも謎の石の儀式とクリーチャーがいないと唱えられないカードなのでオープンハンドに来ると破り捨てたくなる。でもコンボ中ならいくらでも引きたいというピーキーなカード。素直に青をタッチしても良いと思う。サイド後に抜ける仕事をする。
・《イトグモの蔦/Vines of the Recluse(OGW)》4枚
これがあるからチェインコンボになるのだ。コンバットトリックとしても不意を付ける確率がとても高いので使うたび好きになるカードのひとつ。デッキに6枚入れたい(絶妙な心境)。
・《反逆の行動/Act of Treason(KTK)》1枚
実はチェインコンボの助けにもなるし飛躍があれば除去にもなる。ライフレースで勝負するデッキじゃないので、本来の使い方としては弱いのが少し残念。サイドにもう1枚あるのは気の迷い。
・《ドラゴンの餌/Dragon Fodder(ORI)》3枚
これから謎の石の儀式に繋げると非常にテンポが良く動きやすくなる。飛躍の餌としても大活躍。チャンプブロックも立派な仕事です。枚数は迷いどころ。
・《苦しめる声/Tormenting Voice(DTK)》3枚
赤のドローといえばこれ。必要なパーツを見つけにいくカードは非常に重要。複数引いても嬉しくないカードが多いからデッキにも合っているように思えるけれど、実際は展開もせずテンポをロスしてどうでもいいカードを引く確率の方が高いため、積極的に使いたいカードではない。事故軽減のリスクを減らすための採用。
・《未知との対決/Confront the Unknown(SOI)》3枚
このカードは回数を重ねるごとに強くなるぞ! 4枚入れような! 嘘だよ! ただのパンプ呪文を入れる余裕があるほどチェインコンボは優しくありません。大抵はちょっと得な交換をしたりしなかったりしてキャントリップ目当てに唱えます。でもザダがいるときは凶器。
・《進化の飛躍/Evolutionary Leap(ORI)》2枚
こいつを引けるかどうかでデッキの動きが変わる。でも儀式ほど引きたいわけでもないので2枚。搭載歩行機械を安全に割れる、ザダや銀毛へのアクセスが容易になるというのは文面で感じる以上の安定感をデッキにもたらす。儀式と同じくクリーチャーがいなければ仕事しないが、1体以上出せれば連鎖的に仕事をしてくれるので素晴らしい。
・土地22枚、うち《ウェストヴェイルの修道院/Westvale Abbey(SOI)》2枚
ドロー呪文(唱えられるとは言っていない)や謎の石の儀式(儀式できるとは言っていない)が結構あるので控えめに。チェインコンボ中に引きたくないが、チェインコンボを始めるためにはある程度必要だったりで調整が難しい。今のところ22枚でもいいかなって感じ。1マナ呪文を連打したりするので修道院は事故要素にもなりうるけれど、サブプランの強さとしては一線を画しているため試しに2枚採用。
○メインには入らなかったカード(サイドに入ってるカードもある)
・《大群の力/Might of the Masses(ORI)》
銀毛・ザダが揃ってる時の合計パワー増加量は未知との対決よりも大きいが、コンバットトリックにしかならないカードは今回お呼びでないのだよ。結局コンボが回れば致死量のダメージは出せるので、瞬間的な爆発力はそこまで必要ではない。未知との対決はザダと相性が良く、こちらは銀毛と相性が良い。別の型のザダ銀毛デッキなら採用されるであろう枠。
・《アドレナリン作用/Rush of Adrenaline(SOI)》《タイタンの力/Titan’s Strength(ORI)》《剛力化/Titanic Growth(ORI)》等
どうしてもこいつらを入れたいならチェインコンボ型は諦めるといいぞ。
・《エルフの幻想家/Elvish Visionary(ORI)》
緑系コンボデッキなら潤滑油として入ってることが多いこのカード、今回は不採用です。潤滑油はもう十分あるし、飛躍でこいつを手札に入れてもそれほど嬉しくないのです。
・《双雷弾/Twin Bolt(DTK)》《両手撃ち/Dual Shot(SOI)》《アヴァシンの裁き/Avacyn’s Judgment(SOI)》
割り振り火力。銀毛のトークンを2体以上増やすことができ、除去にもなる。こう書くとユーティリティーが高く採用しても良いと思えるが、結局時間稼ぎに使う枠。それならばドラゴンの餌等儀式の役に立てるカードの方が良いと思う。
一応それぞれについて比較検討はした。両手撃ちは1マナで2/2を2体出せることがあるということで、瞬間的な爆発力がある。コンボよりはビートダウン向けと言えよう。除去としての性能は最低の1点火力なので、飛行2/1ビートとかに当たらないかぎり腐ると思う。双雷弾はこの3つの中では一番採用に値する。儀式でマナ加速出来ていれば1マナとの差はそこまで感じないだろう。甘えたプレインズウォーカーを落とせるのも両手撃ちには無い強み。アヴァシンの裁きは単純にソーサリーなのが弱い。これらの火力は相手のアタックに合わせて撃つのが最も強いからだ。苦しめる声から撃ったところでカード数枚のアドバンテージを得ることが出来るだろうが、時間稼ぎの枠として採用するには悠長すぎる。
・《嵐の活用/Harness the Storm(SOI)》
仕事を始めれば凄まじい勢いで仕事を始める。しかし他のエンチャントほど仕事をする回数が多いわけでもなく、コンボが止まる原因を緩和してくれるわけではないので、残念ながら不採用となります。
・《ゼンディカーの代弁者、ニッサ/Nissa, Voice of Zendikar(OGW)》
持ってないから(小声)。コンボのノイズになるので入れるとしてもサイド後。でもメタられるサイド後に追加したところで爆発力は無いし勝ちきれ無さそう。
・《アーリン・コード/Arlinn Kord(SOI)》
持ってないから(小声)。メインから別の勝ち筋として入れてもいいくらいには強い。搭載歩行機械とは表裏どちらの能力ともかみ合っている。別デッキにしたくなるレベルで強いから入れなくて良いと思う。

◆サイドプランについて
まず、サイドボードとは何のためにあるのか。相手の妨害を躱し、相手の攻撃を妨害し、勝利条件を満たすためだ。
このデッキは非常に妨害を受けやすい。レインジャーの悪知恵があればコンボを護る動きも出来たろうが、あいにくそのようなカードは赤緑には現在ない。つまり、チェインコンボが不可能になるほど相手の妨害を受けることを予想できたなら、勝ち筋を変えるべきだ。
しかし、チェインコンボに特化したメインボードから勝ち筋を変えるのは難しい。勝率は高くはならないだろう。
○どのように対策されるか?
白緑ならばドロコマでエンチャントをことごとく潰してくるだろう。儀式や飛躍を失ってしまう動きは避けたいが、いつ消えてもおかしくないと思おう。一撃で仕留められなかった場合、アヴァシンの変身や悲劇的な傲慢により再起不能になるだろう。
赤が入っていればチャンドラや光輝の炎でトークンを大量に残してはくれないだろう。コジレックの帰還をケアするのは非常に難しいし、墓地からの5点火力ではまず全滅するだろう。火力満載のデッキ相手では、そもそもザダや銀毛は仕事をする前に退場してしまうことが容易に想像できる。
黒が入っていれば悪性の疫病をサイドインしてくるはずだ。銀毛や搭載歩行機械の存在理由がほぼ失われてしまうため、最も辛い相手だ。衰滅でも再起不能になるだろう。
青の押し潰す触手や岸の飲み込み、死者を冒涜するもの等の全体バウンスはトークンには致命的だが、ケア出来る範囲のはずだ。
○どのように対策をすり抜けるか? or 対策するか?
白緑のようにクリーチャー除去が少ない相手なら、基本的な動きはそのままでいい。チェインコンボの元となるクリーチャーをケアしてくるはずなのでコンボの成功率は下がるが、コンバットトリックが有効な相手であることは間違いない。アヴァシンを止められるウルヴェンワルドのハイドラが頼りになるだろう。あちらの動きを遅く出来る除去を入れたい。
赤系はゴーグルでない限りアドバンテージを得にくい。少なくとも1対1交換出来るように立ち回れれば良いだろう。アドバンテージ源となるカードをサイドに入れておきたい。
黒系は最も厳しい。トークンを潰され、アドバンテージ差も広げられる。ライフを攻めて行けるカードをサイドに入れたい。

長々と書いたけれど、結局このデッキのコンボは非常に決まりにくい。でも、もし決まった時は最高の気分になれることは間違いない。ここまで読んでくれたあなたならきっとわかってくれるだろう。
勝率を犠牲にしてでも追いたいロマンがスタンダードに存在することに感謝。

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